田舎不動産取引基礎知識不動産あんなことこんなこと>田舎不動産の非常識
不動産あんなことこんなこと−田舎不動産の非常識


 田舎の不動産取引では都会の不動産売買とは異なる非常識と、その地方独特の慣習などで思わぬトラブルに遭遇することがあります。

「ま、いいか!」とか「・・だろう」というように自分勝手な自己解釈は大変危険。仲介、個人取引にかかわらず疑問に思ったことは必ず確認し、書面化しておくことをお奨めします。


■境界線はどこ? ■隣地は国立公園内の公有地 ■私設水道と公営水道
■建物に登記が無い! ■思い通りの大きさの家が建たない ■水源開発費ってダムでも造るの?
■排水側溝が無い! ■水道管が他人の敷地内に ■山林なのに固定資産税が高い?
■値段はあって無いようなもの

■境界線はどこ?
土地を売買する時に第一番に確認しなければいけないのが隣地との境界です。しかし、田舎不動産には、境界が定かでない場合が多々あります。
「売れたらキチンとします」という売主が多いようですが、買主にとっては不安があり不良物件と考えてしまいます。個人取引の場合は特に打ち合わせを密にし、測量をし直して杭を復元するのか、公図確認だけで済ますのかなど取り扱いを明確にしておきましょう。
境界の復元は測量したり隣地の同意を得たりと手間と費用が多少必要ですが、不動産売買では売主の義務として境界を明示すねのが原則です。仲介の場合は売主は不動産業者に売却依頼すると同時に杭の復元を依頼し境界が確認できるようにしておけば、スムーズな取引ができます。
買主としては境界復元後に売買契約を締結するか、手付け契約で引き渡し決済までに復元を義務づけておくかのどちらかにしておくほうが安心です。

■隣地は国立公園内の公有地
田舎で暮らしたいと考えている人は誰しも住宅の密集していない広々としたと ころに住みたいと思うものです。
そこで隣地が国立公園内の特別地域の公有地のようなところなら、まず、そこ には住宅が建設されることはないだろうと思っているかも知れませんが一概にそ うとは言い切れないようです。
最近は、雑木林や森を行政が買い上げてでも自然を保護しようとする動きが普通ですが、地方の小さな市町村では、自然保護より行政の財政の補填を優先しな ければならないこともあって、公有地を民間に払い下げることがあります。広々とした田舎に家を建てたのに数年後に周辺に家が建ってきて陽当たりや眺望が悪くなったという話がよくあります。
周辺の土地の権利関係や利用予定もできるだけ調べるようにしましょう。とい っても、これは大変に難しいことですが。

■私設水道と公営水道
一般に「公営水道」というのは、各戸に引き込む個所の前面道路までは、公共の施設です。
一方、「私設水道」は前面道路の配管が管理組合や自治会のものであったり、 開発業者のものだったりするものをいいます。 そして「私設水道」といわれるものには、「水源がどこか」によっていくつかの種類があります。
一つは共同の井戸の場合で、そこから各戸に配管しているもの。 もう一つは、公営の水道を一団のグループで一つの計量器で引き込んでおり、 そこからは組合等の施設で各戸へ配分している場合(これも公営水道といってい る場合もあります)。 また、山間部などでは沢水を水源として各戸に配管し、共同組合で運営してい る場合もあります。
使用料金や分担金などは、月々の使用料金を組合等に納める場合もあれば、年間一括支払いや、組合費 に含まれる場合など、それぞれによって違いますので個別に確認する必要があり ます。 また、井戸や沢水が水源の場合は、年に一度、水質検査を実施しているかどうかなどにも注意する必要があります。 さらに水漏れや凍結などの場合の修理体制などについても確認しておきたいも のです。
仲介取引の場合はこれらの調査は不動産業者の義務として重要事項説明書に記載されますが、個人取引の場合は、売主から説明を受ける(売主の誤った思いこみというのも少なくありません)か、自分で役場や管理組合などに出向き調査することになります。

■建物に登記が無い!
別荘や田舎の家屋には所有権保存登記がなされていない物件があります。このような物件はそれが本当に売主といっている人の所有物か、購入しても所有権の移転ができないのではないかと心配になります。
このような場合、一般的に所有者だと認識できる方法として、行政の固定資産台帳を閲覧することよって知ることができます。
固定資産台帳は登記の有無に関わらず調査され固定資産課税標準額として記録されているからです。
このような物件を売買するときの所有権の移転登記は原則として、いったん売主の名義で保存登記をして 、しかる後に買主名義に移転登記しなければならないことになっています。(別 のやり方もある)
移転登記は費用も掛かるし、第三者にとやかくされる恐れも無いのでという場合には所有権を移動するときに、譲渡者と譲受者の共同で「家屋譲渡申告書」を行政に提出すれば固定資産台帳の納税者の名義が譲受者に変更されます。
これによって一応、買主がその建物の所有者であるということが一般的に明示される ことになりますが、法律上は第三者に対する対抗要件とはなり得ないので注意して下さい。

■思い通りの大きさの家が建たない
建坪率と容積率は建築基準法によって定められていますが、田舎不動産にはそれ以外に自然公園法という法律の制 限(法律ミニ知識参照)を受けるところがあります。特に第二種特別地域第三種特別地域では建ぺい率が20%以下に制限されていますから注意が必要です。
ところが、地域住民には緩和措置があるため、売主からするとすでにその地域に住んでいる地域住民であり特に制限は受けていないので、「何ら制限は受けていない」と説明してしまい別荘で使おうとした都会の買主とあとでトラブルになったということがあります。
この違いは売主と不動産業者は買主に説明する義務があります。ただし、「地域住民」の定義にも決まったものが無いようです。
こういう地域で建築する場合は届け出をする行政の指導を受けることになります。これらのことは 不動産業者が売買の契約の時に示す重要事項説明書の内容に必ず記載されることになっていますが個人取引の場合は購入決定前に自分で調査しておくことが大切です。

■水源開発費ってダムでも造るの?
公営水道の引き込み時には通常「加入負担金」といって利用者が平等に分担する費用が必要になります。このほかに地域に よっては特別に「水源開発寄付金」等(名目はいろいろ)を求められる所があります。 建物の建築時 に予算超過であわてないよう行政に確認しましょう。
加入負担金は引き込み管の直径の大きさにより決まりますが、行政によって異なりますので注意が必要です。詳細は各市町村の水道課等で確認できます。

■排水側溝が無い!
人里離れた、いわゆる田舎の一軒家を希望している人は、まず排水は自己解決しなければな らないと考えておくほうが賢明です。
区画整理された分譲地や以前からある集落では概ね排水側溝が整備されており、合併浄化槽の排水も許可されますが、流末が河川に排出できる側溝が無い場合は汚水 (し尿)は汲み取りとし、雑排水(風呂や台所の排水)は地下浸透などとしなければならないところが多いようです。但し、行政によっては地下浸透も認めていないところがあるので注意しなければなりません。
また、近くに田圃や畑がある場合などは地権者や区長の同意書の提出を求められる場合もあります。
特に都市計画区域外の建築確認申請をする必要の無い地域では、無許可で浄化槽を設置している場合がありますので中古住宅の購入にあたっては充分に注意が必要です。

■水道の配管が他人の土地を通っている
田舎では水道工事費を安くするのに配管距離を短くしようとして、隣接する親戚や知人 の敷地内に配管を通すことがよくあります。
設置した当時はお互いに良き理解者であっても、後に世代が替わったり、所有者が変わ ったりすることによってトラブルとなることがあります。売主にしてみれば「相手の了解 を取っているから大丈夫」ということになりますが買主に対する保証はなにもありません。
こういう物件は当事者に状況をよく確認して、配管のやり直しやその費用分担 などを契約書に明記するなど、後日、もめることのないようにしてから購入しましょう。
排水路、浄化槽、車庫や物置小屋なども他人の敷地内にあることがあるので要注意。特に水道管や配水管、浄化槽などは地中に埋設 しているため気がつかないことがあります。

■山林なのに土地の評価額は宅地並み
地目が山林なので固定資産税も安いし、土地を購入しても税金も安いだろうと 安心していないだろうか。地域によっては固定資産評価額は宅地並み評価されている所があります。
この場合、不動産登録免許税や不動産取得税が高額になり思わぬ出費で予算オ ーバーとなります。仲介取引の場合は不動産購入時の必要経費として仲介手数料とあわせて業者に事前に確認しておくことができますが、個人取引の場合は自分で調査・勉強しておかなければあとであわてることになります。

■値段はあって無いようなもの
田舎で土地を購入した人は、大抵こんな話しを聞いたことがあると思う。
田舎に住み始めた頃、近所の人が来て、この土地をいくらで買ったのか聞きに来る。自分としても高かったのか安かったのか知りたいとという気持ちもあって、購入値段を教えると「ずいぶん高く買わされたな。この辺だとせいぜい○○○円くらいだよ」と言われる。そして、うちの土地なら、もっと安く分けてあげたのに、よそ者だから足もとを見られたのだと言う。
田舎の人は、何に対しても、”ねたみ”も含んでそういうことを言うことが多い。 不動産取引の事例の少ない田舎では相場というものが形成されにくい。土地の使い方や楽しみ方などは人それぞれである。 自分が納得できれば、それがその土地の価格と考えた方が良い。


<制作・著作> エコライフ住友

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