不動産トラブルTOP売買契約書に関することTR116
■不動産業者が元の所有者から訴訟を起こされているのですが
 一戸建てのマイホームを購入することになり手付金200万円を払い契約を締結しました。住宅ローンも組むことができ、まもなく決済(引渡し)をむかえます。ところが最近、売主(A不動産)から下記のような連絡を受けました。
1.元所有者(Bさん)からA不動産が「訴訟」を起こされた。
2.内容は不動産契約の無効化或いは金銭の要求である。
3.A不動産は「Bさん一族のお家騒動に巻き込まれた」「契約は正規の手続きを踏み違法行為ではない」「契約時は司法書士の立会い、写真も撮ってある」とのこと。
4.早急に顧問弁護士に相談し、弊社が潔白であることを証明しますので、その後決済をお願いします。

 私自身、A不動産は信用できる会社であり、決して不正をしているとは思えません。元所有者の家族(親族)は複雑な家系で、病気の家主(Bさん・祖父)を中心に金銭トラブルがあるそうです。
 たしかに現在、登記簿上はA不動産の名義であり、第三者の私としては登記簿を信用するしか他に頼る道はありません。もし裁判で「A不動産に非があり前回の契約は無効」とされた場合、今回の私の契約も無効になるのでしょうか?そうだとしたら当面は「決済(支払い)」せず、成り行きを見守った方が良いのでしょうか?私が次に取るべきアクションを教えてください。
【まず始めに不動産業者は元の所有者から譲り受けたことについて「正規の手続き」(?)と言っているようですが、司法書士は所有権移転のための書類さえそろっていれは事足りるので、司法書士が立ち会ったからといって必ずしも正常な取引が行われた根拠とはなり得ません。
先般、問題になった朝鮮総連本部の不動産売買でも、不動産売買の形式に関してだけ言えば違法性は無いとされています。誰かが誰かを騙していると考えられるそのスキームが問題なのです。

次に貴方はA不動産を信用されているようですが、悪意が無くても、知らなさすぎる不動産業者は大勢います。違法でなくても調査が不十分であったために起こるトラブルもたくさんあります。例えば、訴訟の原因がBさんが被成年後見人であった場合などの取引は後に後見人から取引の無効を訴えられる可能性があります。
 以上のことを踏まえた上で、貴方(善意であることが条件)がBさんより先にA不動産から所有権の移転登記を
受ければBさんとA不動産の間の売買契約(所有権移転)が無効となっても、物件はあなたのものになる確率は高くなります。(民法「物権の変動」の規定では先に登記をしている方に権利があるとされています。)しかし、わざわざトラブルの渦中に進んで入っていくことになります。
 さらに、BさんとA不動産の裁判はいつ決着がつくのか予測ができません。それまでA不動産の債務不履行のまま決済も、所有権移転もできない状態というのは、正常な形とはいえません。
 残念かも知れませんが、貴方が普通の契約をお望みであればこのような場合は契約を解除するのが賢明と思われます。】
070703090331