不動産トラブルTOP売買契約書に関することTR119
■買い付け申し込みをした土地に埋設してある他人の水道管の移設
 気に入った土地があり、仲介業者を介して買主に買い付け申し込みをしました。その後、購入する土地に、売主ではない他人が所有・使用する水道管(25mm管)が入っている事を確認しました。

 3者(売主・仲介業者・買主)で現場で水道管の位置等を確認し、水道管の撤去を求めましたが、地域の事情(市街化調整区域であり、水道の本管が購入しようとする土地の前の市道にしかない)から無理だと言われました。

 そこで、私の側から今の現状だと住宅の基礎の下に水道管が通る可能性があるので、購入する土地の端に移動を求めました。
売主側は、移動は可能であるとのことでした。ただ、移動する際、水道管の所有者から水の出が悪い(3世帯で使用)との相談を受けてるので、水道管の径を25mm管から40mm管に変更して施工させてくれと申し出があり、地域事情もあることから移動をしてもらえるなら40mm管での施工の承諾をしました。

 契約時、仲介業者のから土地売買契約書・重要事項説明書の説明を聞き、重要事項説明書に「水道管を購入する土地の端に移動する事」「新たに施工する水道管の径を40mm管で施工する事」が記載されていることを確認(契約時にはまだ水道管の工事は始まっていないので進行形の表現になっていました)し、印を押しました。

 売主側も印を押し、売買契約・金銭の授受・登記等が終了しましたが、いざ、水道管の移動工事が始まり、新たに工事されたその水道管の径を水道局に確認したところ、50mm管での施工がされておりました。

この事を、仲介業者を介して売主側に指摘・回答を求めましたが、明確な回答が得られませんでした。
その後、一旦は売主側で重要事項説明書で記載した水道管の径に直すと回答(書面は取ってません)を得ましたが、後日、水道管を所有する方(売主ではない)が径を変更する事を承諾してもらえないので40mm管に変更は出来ないと言ってきました。(売主と水道管所有者でどのようなやり取りがあったかはわかりません)
 売主側は、重要事項説明書に40mm管で施工と記載してあり50mm管で施工してしまった事は認めていますが、50mm管にした事により、売主側にどのような被害(損害)があるのか?と言ってきています。また、重要事項説明書・契約書の訂正で済ませたいと申し出てきました。

仲介業者は、重要事項説明書に、「水道管を購入する土地の端に移動する。」「40mm管で施工する。」旨を記載し、売主側にも契約時にしっかり説明した。契約後の水道管の施工の問題だから売主側に非があり、私たちは間違った事をしていない−と主張します。

確かに契約時には、まだ工事は始まっておらず、進行形の形で契約をし、その契約を忠実に守って頂けると思ったのですが、間違った工事をされてしまい、水道管を所有する方も追加で工事(径を変更)をする事を拒んでおります。
私たちとしては、重要事項説明書と違う工事をしている説明があまりにも大雑把過ぎて納得していません。

 こういった場合、買主側として、今後どのように対処していったらよろしいでしょうか?また、違約金的なものの請求は出来るのでしょうか?
お手数ですが、助言を頂けると助かります。
【この事例では始めから不動産業者の対応に問題がありそうです。
第1に現地での立ち会いに肝心の水道管の所有者が入っていないこと。仲介業者は立ち会いを求めるべく調整しなくてはなりません。
水道管移設工事の施工契約者は水道管所有者だと思いますが、その場合、移設に関する取り決めをするのは、水道管所有者としなければ問題の解決にいたりません。水道管所有者を挟まないで話しを進めた不動産業者には仲介業を営むものとしての責任があります。

第2に地域の事情の市街化調整区域と前面道路に関する説明は、一般には水道菅を埋設(移設)できない理由にはなりえません。業者の調査不足が疑われます。

第3に物件の引き渡しは工事が完了してから、あるいは予定通り工事が施工されることを担保してから、行う必要があります。
 工事を売主ではなく水道管所有者が工事を施工した場合でも、売主には責任もって物件を引き渡す義務があります。(物件引き渡しまでの善管義務が契約書に記載されている筈)
また、仲介業者としては、工事前の引き渡しということですからで、少なくとも工事の契約書や見積書を確認してから引き渡しを進めるべく手順を踏むべきです。

第4にこれらのことを記載しなければならないのは、「売買契約書」です。「重要事項説明書」は基本的には、購入者に説明すべき書類で、売主に強制力を持たすような書き方になっておりません。仲介業者の業法違反が疑われます。

以上のようなことから買主として、水道管が40mmが50mmになったことによって建物を建築出来る面積が減って予定していた大きさの建物が建たないなどその状態を容認できないならば、損害賠償あるいは契約の解除を申し込むこともできます。
次に将来のことを考えて水道管所有者との敷地使用契約(仮名)を締結しておく必要があります。いつまで敷地を貸しておくか、対価は、また行政では対応できない保守メンテナンス、そのときの敷地内への立ち入り、水道管の所有権の承継、また、将来、この水道管を使用している軒数が増えることによる対応などについて取り決めておくことをお奨めします。


参考:「田舎不動産の非常識」―「水道の配管が他人の土地を通っている」
http://www.ecolife.jp/ecolife/annakoto/hijyosiki.htm#tanin

第三条 売り主の引き渡し義務・・・参照
http://www.ecolife.jp/ecolife/kojin/keiyakusho1.htm

2009.10.32011.5.19